月極フランスガム花詩集1:6月と紫陽花
彼女の名はアジサキ・サイコといいました。

アジサキ・サイコはそのまた昔
アメダ・アメオと恋人同士でありました。
しかし
アメダ・アメオのあの気紛れさについてゆけなかった彼女は
カタツ・ムリノスケのもとに逃げてしまったのです。
カタツ・ムリノスケとは穏やかに過ごしておりますが
いつも心のどこかで
アメダ・アメオのことが忘れられず
彼の大活躍するこの季節には
きれいな色のレイン・コートを着て
こっそりと会いにやってくるのです。

そして昔を思い出し
雨に紛れてひっそりと
涙を流すのでした。

彼女のレインコートの色が
ときに美しく滲んで見えるのは
雨にぬれたせいだけではないのです。


紫陽花のおはなし。
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